ジュース・ワールド(英: Juice WRLD、本名: Jarad Anthony Higgins、1998年12月2日 - 2019年12月8日)は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身のラッパー、歌手、シンガーソングライター、ヒップホップミュージシャン。2018年の楽曲「Lucid Dreams」の世界的ヒットで知られており、2010年代後半のエモ・ラップシーンの代表的アーティストの一人である。彼の芸名は2PAC主演の映画『ジュース』に由来している。
来歴
1998年12月2日、イリノイ州シカゴで生まれる。幼少期はカルメットパークで過ごし、その後ホームウッドに引っ越した。3歳の時に両親が離婚し、ジュース・ワールドと兄はシングルマザーの元で育った。幼少期から10代にかけてヘビードラッグの常用者だった。6年生の時にリーンを飲み始め、2013年にはパーコセットとザナックスを使用していた。
母親の影響で4歳の時にピアノを習い、後にレッスンを受けるようになる。その後ギターとドラムを始め、スマートフォンで録音した曲をSoundCloudに投稿するようになった。
2017年6月15日、デビューEP『JuiceWRLD 9 9 9』をリリース、楽曲「Lucid Dreams」が人気を集める。12月、3曲入りのEP『Nothings Different』をリリース。リリカルレモネードなど多くのヒップホップブログで取り上げられ、楽曲「All Girls Are the Same」が人気を博した。
2018年2月、コール・ベネット(Cole Bennett)が監督した「オール・ガールズ・アー・ザ・セイム」のミュージックビデオが公開された。ミュージックビデオの公開後、Interscope Recordsと300万ドルで契約した。5月4日、「Lucid Dreams」が正式にシングルとしてリリースされBillboard Hot 100で最高2位を記録するなど大ヒット、2018年に最もストリーミング再生された曲の1つとなった。
2018年5月23日、デビューアルバム『Goodbye & Good Riddance』をリリースする。10月19日には、フューチャーとのコラボ・ミックステープ『Wrld on Drugs with Future』をリリース。2019年3月8日、2作目のアルバム『Death Race for Love』をリリースし全米1位を記録する。
2019年12月8日、ジュース・ワールドはロサンゼルスのヴァン・ナイズ空港からプライベートジェットでシカゴのミッドウェイ国際空港に着陸した後、薬物による発作で倒れ亡くなった。葬儀は2019年12月13日、イリノイ州ハーベイで行われた。
2020年1月22日、ジュース・ワールドの家族と所属レーベルが、亡くなる前までに制作していた音楽をリリースする意向を発表した。7月10日、3作目のアルバム『Legends Never Die』をリリースし全米1位を記録する。
2021年1月15日、コール・ベネットが監督を務め、ジュース・ワールドが死去する前に撮影された、ヤング・サグをフューチャーしたシングル「Bad Boy」のMVがリリカル・レモネードのYouTubeチャンネルにてリリースされた。
2021年12月3日、ジュース・ワールドが死去する前に撮影された、ジャスティン・ビーバーとのコラボ曲『Wandered To LA』がジュース・ワールドのYoutubeチャンネルにてリリースされた。
2024年12月1日、Epic Gamesのバトルロイヤルゲーム「Fortnite」のゲーム内イベント「リミックス・ザ・フィナーレ」にて、ジュース・ワールドが遺した楽曲「Empty Out Your Pockets」が初披露された。また、ゲーム内グラフィックを使用したそのMVがジュース・ワールド公式YouTubeにて公開された。
人物
私生活
幼い頃から薬物乱用の経歴があり、その経験を公然と語っていた。母親は息子が薬物依存症との戦いに加えて、不安や抑うつにも対処していたと述べている。
死亡時には恋人のアリー・ロッティとロサンゼルスに住んでいた。2人は2018年11月にインスタグラムで交際していたことを明かしている。
死因
2019年12月8日、ジュース・ワールドはロサンゼルスのヴァン・ナイズ空港からシカゴのミッドウェイ国際空港に向かうガルフストリーム社のプライベートジェット機に搭乗していた。警察は、飛行中に連邦捜査官から飛行機内に銃と麻薬があると疑われる旨の通報を受け、ジェット機の到着を待っていた。警察は後に、機内で拳銃3丁と70ポンド(32キロ)のマリファナを発見したことを明らかにしている。また、ジュース・ワールドのマネージメントチームの数人が、ジュース・ワールドが「いくつかの未知の薬」を服用したと供述している。警察が飛行機の荷物を捜索している間、それを隠すために複数のパーコセットの薬を飲み込んだと推測されている。
その後ジュース・ワールドは痙攣を始め、口や鼻から血を出し始めオピオイドの過剰摂取が疑われたため、緊急治療薬ナルカンが2回投与された。彼はオークローンの近くのアドボケイト・クライスト医療センターに搬送されたが、そこで死亡が宣告された。検死の結果、急性のオキシコドンとコデイン中毒による発作が原因であることが確認されている。
ディスコグラフィ
主なアルバムとミックステープ
- Goodbye & Good Riddance (2018年)
- Wrld on Drugs (with Future) (2018年)
- Death Race for Love (2019年)
- Legends Never Die (2020年)
- Fighting Demons (2021年)
- The Party Never Ends (2024年)
受賞歴
来日公演
- 2018年10月21日 東京 渋谷Harlemにて
脚注
外部リンク
- 公式サイト(英語)




