概説
ほうれい線は「鼻唇溝」の名が示すとおり、鼻の側面から始まり唇の端へと伸びる溝である。左右の計2本が存在する。組織学的には、顔面内部にあるSMASが頬の Type I から口唇周囲部の Type II へ切り替わる境界線の窪みがほうれい線にあたる。
ほうれい線は口唇の上外側縁を構成する。また頬の前縁を構成する。そのため口唇と頬の境界線をなしている。
ほうれい線の形状や角度には個人差があり、顔表面を直線状に走る場合もあれば凹状・凸状に走る場合もある。主に加齢によって中年以降に目立ち始めることが多く、若年期までは目立たない人もいる。ほうれい線の深さは見た目の年齢を大きく左右する。
地倉、禾髎、巨髎といった顔のツボを刺激することで改善効果が見込めるとも。
ほいれい線はしわでは無く、頬の境界線である。
原因
原因としては以下のものが挙げられている。
- 加齢
- 乾燥
- 喫煙
- ストレス
- 紫外線
- バランスの偏った食事
- ビタミンC不足
- コラーゲン不足
名前
中国の面相学においては「法令紋」と称されるが、その語源は未詳である。「豊麗線」、「豊齢線」は当て字。「
解剖学においてもこの溝は様々な英名で呼ばれる。以下はその一例である:
- 英: nasolabial fold: 「鼻(naso-)から口唇(labial)にかけての fold」の意
- 英: nasolabial groove
- 英: melolabial fold: 「頬(melo-)と口唇(labial)を分ける fold」の意
- 英: nasomandibular fold: 「鼻(naso-)から下顎(mandibular)にかけての fold」の意
脚注
注釈
出典
参考文献
- 五味 (2020). “赤唇部の加齢変化に関する組織学的研究”. 東京工科大学博士論文. NAID 500001441963.
- Sandulescu, Tudor (2019). “Facial fold and crease development: A new morphological approach and classification”. Clinical Anatomy 32 (4): 573–584. doi:10.1002/ca.23355.
- 荻野, 晶弘 (2012). “Unit原理に基づいた小範囲顔面皮膚・軟部組織欠損の再建”. 創傷 (一般社団法人 日本創傷外科学会) 3 (2). doi:10.11310/jsswc.3.41. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsswc/3/2/3_2_41/_article/-char/ja/.
- Gassner, Holger G (2008). “Surgical Anatomy of the Face: Implications for Modern Face-lift Techniques”. Archives of Facial Plastic Surgery 10 (1). doi:10.1001/archfacial.2007.16.
関連項目
- 顔#人間の顔
- 皺(しわ)




